おまめ note

自閉症児ママによる、自閉症児ママのためのブログ

療育っていいことばかりじゃない?療育ママの本音

Instagramにてフォロワーさんに「療育に通ってよかった?」というアンケートを取りました。

結果は、「良かった96%・良くなかった4%」となり、良かったと思う理由について、約100名の方から意見をいただきました。

最も多かったのは「子どもが成長した」、次いで「保護者の相談先ができた・心の支え」といった内容。
療育は、子どもの発達を促すだけでなく、保護者の心の拠り所としての存在でもあります。

私たち親子も療育に通い始めて2年以上経ちますが、今でも一緒に成長を喜んでくれる先生方の存在に日々救われています。

  しかし、「通ってよかった」と思う反面、デメリットもあると感じているのが本音。

Instagramのフォロワーさんに追加アンケートをとり、療育に通って良くなかったこと、モヤモヤしたことを教えていただきました。

療育通いには、大変なことも多い?

子どもの成長を促し、その成長を一緒に見守ってくれる療育。

療育は決して魔法ではなく、子どもの「やりたい」「できるようになりたい」という気持ちを引き出し、その力を最大限伸ばしてくれる場所です。

療育に支えられている親子がたくさんいることは事実ですが、通っていく中でモヤモヤしたり、大変だと感じることもあります。

みんなのモヤモヤはこちら

 ・先生に対する不満
 ・支援内容に対する不満
 ・保護者のメンタルへの影響
 ・家庭への影響

一部の方の意見とはいえ、私も共感できることが多くありました。

療育の先生や施設の運営に対する不満

一番多かったのが、先生に対する不信感や不満でした。

兄弟で別々の施設に通っているが、弟の通っている施設の方が圧倒的に指導が良く、施設(先生)によってこんなに違うんだと痛感。

先生が毎回変わる療育施設があり、子どもとの相性や情報共有があまりできていない。

1年以上通った施設の先生方は、センター長を筆頭に知識不足だった。

私が実際に通っていた療育でも、毎回担当する先生が代わる施設がありました。

人見知りが強く、環境の変化に弱い長男は、その施設のやり方・雰囲気に慣れるまで1年弱かかりました。

慣れない先生だと活動をスタートできず、40分間の療育のうち35分泣き続ける、ということも……。

対応する先生によって知識・経験の差もあり、指導する内容や支援の仕方も違うため、親としても戸惑いを感じていました。

 

他にも「言語の面談したときの先生が、強烈に親にダメ出しをする人だった」「先生に『お母さんは何にも知識ないんだから黙ってて』と言われ、すぐに辞めた」などの意見もありました。

先生自身は、子どもや保護者の為を想って言ってくれているのかもしれませんが、親は支援すべき対象であり、ダメ出しをするのはNGだと思います。

支援内容に対する不満

それぞれの施設によって運営方針や、先生の配置人数、支援内容が異なるため「合わない」と、感じることも少なくありません。

重度や特性が強い子ばかりに手がかかり、自分たちへの支援が薄く、不公平感が強かった。

週末療育は予定を詰め込みすぎなメニューばかりで、毎回息子だけパニック・発狂でした。

ストレスフリーをモットーに自由にすごす療育もあるので、子どもにとって刺激にならず、むしろマイナス。

どういった施設を選ぶかにもよって変わってきますが、望むような支援が受けられなかったり、子どもの性格・特性に合わないこともあります。

通ってみなければ分からないこともたくさんあるので、施設選びの際にしっかり確認しておきたいですね。

保護者のメンタルへの影響

保護者にとって、身近にすぐに相談できる支援者がいるのはとても心強いことです。

しかし、療育に通うことによって保護者が疲れや不安を感じてしまうこともあります。

子どもが疲れてそうだけど、回数を減らすのが怖い。親の勝手な想いでごめん。

母子通園だったので自分の時間がなく、余裕がなくなり子どもが荒れてしまった。母子分離のほうが自分に余裕ができうまくいきだした。療育も大事だが、母親のメンタルが1番大事。

子どもの為と思い受給者証フル活用通所だが、正解がないので、これは親のエゴではないかと不安になる。

SNSを見ていると「我が子のために!」「今頑張って、将来少しでも生きづらさを減らしてあげたい」と、いくつも療育に通ったり、母子通園を頑張る保護者は少なくないように感じます。

私も、複数の事業所を併用しているとき、「本当にこれでいいのだろうか。本当に息子たちのためになっているのか?」と、不安になることがよくありました。

療育に通うことは、親にとって大きな支えになることは事実ですが、頻度や回数、内容などバランスも十分に考える必要があります。

また、「療育施設の虐待のニュースを見ると、心配になる」「お互い様だし、スタッフも手が足りないのだろうけど、他害の被害で帰ってくるとき、行かせることがマイナスになっているのかと悩む」といった、事件やトラブルへの不安やストレスを感じることもあります。

大切な我が子を預ける場所は、安心・安全であることが第一です。

先生・スタッフの働き方や表情も、療育を選ぶ際によく見ておきたいですね。

家庭への影響

複数の施設や、保育園や幼稚園との併用となると、子どもが疲れてしまったり、保護者自身が疲弊してしまうこともあります。

親子共に時間をとられることと、通うモチベーションを保つのがしんどくなる。

療育に時間を費やすあまり、完全なプライベートでの遊びの思い出が明らかに少ない。

連日スケジュールを詰めすぎ、親子で通うだけで精一杯になってしまった。

長男の場合、幼稚園を早退して療育に通っていたため、幼稚園終わりにクラスの子どもたちと公園で遊ぶ経験がほとんどありませんでした。

週末に療育に通うと家族で過ごす時間が減ってしまうので、たくさん通うことよりも”適度な時間・頻度”で利用したいですね。

また、療育に通うために満足に仕事ができない、続けられず退職したというお話もよく耳にします。

「母子通園や9時以降の療育が週2~3回あるので、仕事したくても思うように働けない」

「交通費(ガソリン代)や、親の水着購入等、出費がかさむのに、週5母子通園で収入ゼロ。仕方ないけど……」

障害のある子を育てるには、金銭面の負担が大きくなります。

特別児童扶養手当は地域によって審査が厳しかったり、所得制限が設けられているために受給できない世帯もあります。

困りごとがあっても障害の程度によって、療育手帳を取得できないこともあります。

障害のある子の子育て支援の現状は、決して手厚いとは言えません。

療育の利用料についても所得制限が設けられており、所得制限を超えると上限4,600円が37,200円に跳ね上がります。

将来の子どものために少しでもお金を残そうと、頑張って働けば所得制限に引っかかってしまう。

送迎や母子通園で、働きたくても思うように働けないなど、金銭面への不安を感じずに、療育を利用できる環境が整うことを願うばかりです。

通ってみないと分からないことが多い

人と人との関わり合いなので、どうしても合う・合わないが付き物です。

実際に通ってみないと分からないことも、たくさんあります。

集団療育は合わず、合う個別療育も見つからず、そろそろ辞めそうです。

最初に通った療育は30人もいたので、刺激が強すぎて余計にイライラしてしまった。

近くに1つしか療育施設がなく、そこの方針と我が子の相性が合わず、1年通ったけど途中でやめればよかった。

特に初めての療育選びの場合は、どんな支援が必要なのか、どういう施設が合うのかといったことを保護者が分かっていないことがあります。

支援内容や施設の運営方法に疑問を感じても「やっと通い始めたのだから…」「こういうものなのかな?」と、その疑問を抱えたままやり過ごしてしまうことや、通っているうちに「うちの子には、こういうところは合わない」と気づくこともあるでしょう。

通っているうちに状況が変わることも

やっとの思いで療育をスタートしても、行き渋りや入室拒否、他のお子さんとのトラブル、先生の異動などが発生することも。

支援が45分間で、入室拒否30分、帰宅の切り替えができず癇癪が重なり、親子で心が折れた。

担当の作業療法士さんが1年に2回変わって、慣れたころだったので関係がリセットされて大変だった。

発達障害を抱えている子は、新しい場所・人に慣れるまで時間がかかることがあり、人の入れ替わりが多いと、子どもだけでなく、親にとってもしんどいです。

私たちが利用していた施設も、先生の入れ替わりが激しく、新しい先生が来るたび、関係を築き直さなければならず、正直面倒でした。

いろんな人と関わることも大切だとは思いますが、入れ替わりが激しいと、何度も同じ話をしなければならなかったりと、信頼関係にも影響します。

また、他の利用している子が入れ替わったり、子どもの成長に伴い、支援内容に物足りなさを感じてしまうことも。

仕組みにも問題あり?

1歳半健診や3歳児健診にて早期発見に繋がっても、施設がいっぱいですぐに療育に通えないことも少なくありません。

まず空きがないので、始めたいときに始められない。

空きがどこもなく、空いたところに入ったが、支援内容は……。行かないよりマシかな。

地域によって違いはあるものの、療育に通うまでのプロセスが長く、療育スタートまでに時間を要するのが現状です。

早期発見、早期絶望?

私の住む自治体では、児童相談所にて発達検査を受け、その結果が療育手帳取得の判定が出れば、受給者証の申請が可能になり、療育の利用を開始できます。

療育手帳取得とならない(知的な遅れが見られない)場合は、別途医師の意見書が必要となります。

児童相談所の検査予約、病院の初診の予約など、数か月~半年待ちとなることも。

長男も次男もそれぞれ、療育に通いたい!となってから、通い始めるまで4〜5か月かかりました。

この間、何のフォローもなく、ただ待つしかありません。

私たちの場合は、他者からの指摘ではなく私自身の気づきで療育に通いたいと思い動き始めました。

もし、乳幼児健診や保育所等での指摘だったら、早期発見・早期絶望となっていたかもしれません。

”今”目の前にいる我が子が困っているのに、何もしてあげられない上、1日1日をやり過ごすのにギリギリの状態で、ただ待つしかできないことが、どれほど辛いことか……。

精神状態が不安定な中で、誰も教えてくれない福祉制度を自分で調べ、様々な手続きを進めていかなければなりません。

もう少し、申請方法などが分かりやすく、かつスムーズに利用開始できるような仕組みになってほしいです。

まとめ:療育はメリットもデメリットもある

療育は、魔法ではありません。

どれだけ専門家が揃っていたとしても、1~2日では成長しません。

しかし、家庭で保護者が育てるだけでは得られないような刺激や支援を受けられることは、療育の最大のメリットであり、親としても身近に理解者がいることは大きな心の支えとなります。

地域差が大きく、地方の場合は療育施設が少なく選べない、空きがなく待機期間が発生することもありますが、現在は、オンラインでの個別療育支援も増えてきています。

また、有資格者から支援方法を学べたり、保護者同士の情報共有ができるようなオンラインサロンもあります。

待期期間だけでも、そういったオンラインサービスを活用してみるのもいいかもしれませんね。

子どもの成長のために利用する療育ではありますが、通うことで疲弊してしまっては本末転倒です。

バランスをとりながら、無理のない範囲で利用していきたいですね。

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