おまめ note

自閉症児ママによる、自閉症児ママのためのブログ

自閉症長男、笑っているだけで嬉しかった運動会

今年も9月の3連休の幼稚園の運動会がありました。

年中の運動会は、ほとんど参加できずに、悔しさと虚しさで思わず号泣。

帰り道は「来年の運動会は、少しでも笑顔が見れますように」と願いました。

期待しないように毎日のように言い聞かせてきましたが、今年はたくさんの笑顔を見ることができました。

まさに感無量。

そんな幼稚園最後の運動会の記録です。

 

上記記事は、長男の様子の写真を掲載しているため有料記事となっております。

 

年長のメインはマーチング!練習はいかに?

マーチングの練習が始まったのは、1学期の後半。7月に入ってからでした。

いくつかの楽器の中から選ばれたのは「中太鼓」。おそらく一番人数が多いか、目立たない楽器だと思われます。

練習が始まってしばらくは、「今日は脱走しました」「今日は参加拒否でした」など、あまり練習に参加できていない旨の報告が続いていました。

練習を見に行きたいと相談するも……

年中からの持ち上がりの担任だったので、長男のことをよくわかってくれています。

太鼓の中央に”マイゼンシスターズ”をプリントしたものを張ってくれたり、すこしでも練習に前向きになれるように工夫をしてくれました。

同じことを繰り返すのが苦手な長男にとって、毎日同じ練習を繰り返すマーチングは、かなりハードルが高そうです。

「また参加できないかもしれないから、練習だけでも見に行きたい」と先生に相談するもNG。

大変不服でしたが(笑)、今年は何があってもネタにしてやると気持ちを切り替えることにしました。

もしかして、期待してもいいかも?

2学期に入り連日練習が続く中、担任から「練習がんばってます!」という前向きな報告が続くようになりました。

長男からも「今日は2回、太鼓の練習しました」と聞くこともあり、とても前向きな様子です。

「ママ、長男くんのかっこいい姿見たいから、運動会見に行ってもいいかな?」というと、「うん、いいよ~」とまんざらでもない様子。

これはもしかして、期待してもいいやつですか?!

ところが、運動会1週間前に鼻かぜ→とびひで登園NG。とびひが完全に治らないと運動会の参加も厳しいというお達し。

 

必死に塗り薬を塗りたくり、ぎりぎり前日に完治。

既に衣装合わせは終えていましたが、家で「この衣装を着るよ」と写真を見せると「こんなの着ないよ~」と。

担任に即座に報告。長男だけ衣装合わせをもう一度してもらいました。

 

 

寝坊と大癇癪で最悪のスタート

まさかまさかの全員で寝坊(笑)

8時前には家を出発しなければならないのに、目を覚ましたのが7時過ぎ。

全員を叩き起こし、子どもたちの朝ご飯をダッシュで準備!しようとしたら、長男の大癇癪。

「うんどうかいいかないーーー!!!!」「ごはんたべないーーー!!!」

オワタ。モウ、キョウ、オワタ……。

完全に死亡フラグでしたが、なんとか機嫌を取り戻し、無事にご飯を食べ体操服に着替えて出発。

無事に到着、着替えもバッチリ◎

無事に間に合い、年長は早速マーチングの衣装にお着替え。

機嫌も悪くなくみんなと合流したとのことでしたが、どこで崩れるかわからないので、気を抜いてはいけません。

長男が少しでも安心できるように、年長の園児席の近くに場所取り。

しばらくして、年長の子どもたちが入場ゲートに並び始めました。

私は入場ゲートの反対側の撮影場所に移動していたので、旦那が声をかけにいってくれました。

そこで撮った写真をすぐにLINEで送ってくれたのですが、少しまぶしそうに笑う長男が写っていました。

リズム感ゼロのマーチング

演奏が始まりました。曲名は控えますが、だれもが知っている有名な曲でした。

最初から最後までリズム感ゼロ、ひたすら叩き続ける長男。

でも、お休みのところはしっかり休んで、叩き始めは周りよりワンテンポ早くたたき始める。

先生からも「簡単なリズムで教えています」と聞いていたんだけど、ニコニコ笑って叩き続ける姿に思わず笑ってしまいました。

ときどきパパがいる方を振り返ったり、キョロキョロと私を探したり。

太鼓の重さに耐えられなくなってきたのか、どんどん腰が沿ってくるけど、脱走する様子もありません。

先生に促されながらですが、場所移動もできていました。

ずっと堪えていたけど、行進で前を通ったときはさすがに耐えきれず号泣。

年少の時も、年中の時も「絶対マーチングなんてできるわけがない」と思っていました。

でも、ちゃんと参加できました。ずっと笑顔でした。

たくさん練習をがんばってきたことが伝わってきて、隣のママさんに驚かれるくらい泣きました(笑)

 

 

最後まで笑顔の運動会

楽器を置くために、一旦退場。

改めて、各クラスごとに入場してきて開会式、宣誓、体操が行われました。

年長さんは、国旗や園旗を持ったり、宣誓、体操のときにお手本として前に立つなど、要所要所で役割が与えられているようでした。

もちろん(?)、長男は何もなし(笑)

なぜか列の先頭で、めちゃくちゃ目立つ。なんで一番前なん(笑)

10秒たりともじっとしていられないので、しゃがみこんだり、ふらふらしたり。お辞儀も一人だけ30秒くらいしてるし、悪目立ちがすごい。

でも、とにかく楽しそうなんです。ニコニコ笑っていました。

平和なタイヤ引き

クラス対抗の競技で、相手の子も発達ゆっくりさんでした。

周りはかなり本気で引っ張り合いしているのに、そこだけ異空間かのように2人でタイヤを運んでいました(笑)

平和すぎて爆笑。かわいすぎました。

ニコニコ親子競技

パパと一緒に障害物リレーに参加。パパ大好きなので、終始ご機嫌。

ずっとパパとじゃれ合っていました。

「輪を3回くぐる」といったルールは理解できなかったようで、1回くぐって走って行ってしまい、連れ戻してもう一回くぐって……(笑)

リレー型なだけで勝ち負けがあるわけでもないようで、すごく穏やかな雰囲気でした。

全力疾走?リレー

3番目の走者でした。バトンを受け取り、長男なりに一生懸命走っていました。

年長さんともなると、身体の作りがしっかりしてくるので、走るのも早くなってきますね。

長男は腕を下で振り、身体がちょっと斜め剝くので、ちょっと欽ちゃん走りみたいになるんですよね。

こういう場面は身体の動かし方、使い方が不器用なんだなぁと実感しちゃいます。

でも、リレーでもニコニコ笑っていて、楽しそうでした。

 

 

相対的ではない評価を

マーチングもその他の競技も、周囲と比べれば「できていない」と感じる部分は多々あります。

競技の意味を理解していなかったり、フラフラとしている場面も多々あり、悪目立ちもありました。

でも、私たちにとっては「笑顔が見れただけで」「参加できただけで」十分。

年少、年中の時と比べれば、とんでもなく成長し、想像すらできなかった姿を見せてくれましたから。

 

もちろん、終始、不安と緊張がありました。

どこかでプツンと糸がきれてしまわないかと、暇さえあれば園児席に長男の様子を見に行きました。

でも、クラスの子たちと一緒に過ごしている姿は、とても立派でした。

 

「マーチングに参加できなかったとしても、これからの人生で困ることなんてない」

発達外来の先生に言われた言葉です。

この言葉のおかげで、変に構えすぎることもなく運動会を迎えられたと思っています。

長男の成長を支えてくれる人たち

長男が参加できるようにたくさんの工夫や支援をしてくれた先生方。

長男をクラスの一員として、受け入れてくれるクラスの子たちに、改めて感謝しました。

運動会の動画を送ると、大絶賛の誉め言葉を返してくれる療育の先生方。

「長男君、頑張ってたね」と、時間が経っても声をかけてくれる人もいました。

 

こんなに成長を支えてくれる人がたくさんいるなんて、なんて長男は幸せものなんでしょう。

 

 

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