おまめ note

自閉症児ママによる、自閉症児ママのためのブログ

【モンテッソーリ×感覚統合】の最強タッグ|「発達が気になる子のためのおうちモンテッソーリ」を読んで

長男が自閉スペクトラム症と診断をされてから約2年の間に、「発達障害」について書かれた本を何冊も読んできました。

その中で、私が「発達障害のある子を育てるママに、これは知ってほしい!」と感じていることが3つあります。

  • ABA(ABC分析)
  • 感覚統合
  • モンテッソーリ教育

すべての子どもに絶対役立つとは言えませんが、どれも「発達障害の有無に関わらず、子育てのヒントになる」ものです。

この中で特に、発達障害のある子・その疑いのある子の子育てにおいて、「感覚統合」は知ってて損はありません。

でも、感覚統合についての本を読んでいざ実践しようとすると……、難しいんですよね。

なんかこう、家庭的ではないというか、親目線でないというか。

意識高い系じゃないと頑張れない感じ?(笑)

でも、感覚統合について知ることで、子どもを見る視点が確実に変わります。

長男の子育てで理由や対応方法が分からないことがたくさんありましたが、その原因が感覚の偏りからくるものだと知ってからは、いろんな対処方法を考えられるようになりました。

自分自身も感覚統合のことを知ってよかったと実感しているので、ぜひおすすめしたいのがこちらの本!

モンテッソーリ教育と感覚統合の最強タッグ!
まさに「発達障害のある子を育てる全保護者に読んでもらいたい」本です!

こちらの記事でも紹介しています!

omame-note.com

 

「発達が気になる子のためのおうちモンテッソーリ」の内容は?

「おうちモンテ」で人気のインスタグラマーりっきーさんは、保育士であり、モンテッソーリ教師であり、二児の母です。

■Instagram @ouchi_monte_ryoiku

“モンテッソーリ教師が書かれた本“となると「意識高い系の本じゃないの?」と、ついい身構えてしまう人もいるかもしれません。

安心してください、そんなことは全くありません。

りっきーさんの息子さんも”発達が気になる子”。一人の母親としてわが子の発達に悩み、不安を抱えていた過去が綴られています。

スーパーの中でぐずった長男が床に寝そべり泣き始めます。いろいろ声かけをしましたがおさまらず、どうしようと思っていた時に見知らぬ女性が言いました。
「あら、しつけがなってないわねぇ」 この瞬間、私の中で全てが崩れ去りました。

「はじめに」に書かれているエピソードには、ずっと共感しっぱなしでした。

Instagramで見る”りっきーさん”は、いつも前向きで明るい方なので、こういった辛い経験をされていたことに少し驚きもありました。

 

りっきーさんは「待ってても仕方ない。私がどうにかする!!」と立ち上がり、出会ったのがモンテッソーリ教育と感覚統合のアプローチ方法。

この本には、”子どもが、自分で生きていく力”を育てるために、学び、観察し、実践を繰り返し積み上げてきた知識と経験が詰め込まれています。

難しい感覚の話もとても分かりやすく書かれているので、感覚統合について知りたい方にもおすすめです!

むーさんの柔らかくかわいらしいイラストと、息子さんたちの写真もたくさん添えられており、読書が苦手な方でも読みやすいですよ!

思わず100均に行きたくなる

4つのチャプターで構成されており、それぞれのチャプター毎に内容がまとまっているのでどこから読んでもOK!もちろん、必要な部分だけも◎。

  • モンテッソーリ教育について(理論)
  • 発達支援について(理論)
  • りっきーのプラスモンテ®(+monte)(実践)
  • 関わる大人の心を満たそう

どのチャプターも面白く、とても勉強になるのですが、特にチャプター③は付箋だらけになりました(笑)

 

モンテッソーリ教育には、「日常生活の練習」という分野があります。

幼児期の子どもにとって必要な日常生活の動作を切り取りアプローチしていくことで、「自分の身体を思い通りに動かせるように」していきます。

「うちの子不器用で……」

「食具がうまく使えない」

「筆圧のコントロールが苦手」

こういった悩みの多くは、その活動に必要な動作を獲得しきれていないことから生じています。

モンテッソーリ教育の「お仕事」を日常に取り入れることで、子どもにとって必要な動作を楽しく遊びながら獲得していくことができるのです。

 

本の中でも、発達の視点に沿った「お仕事」がたくさん紹介されています。

各教材の準備物や作り方、どんな力がつくのか発達的な視点で見た解説もあり、「発達とかよくわかんない……」という方でも挑戦しやすいですよ!

特に「発達の目安」が分かりやすく、年齢ではなく”子どもの状態”から取り組むタイミングを教えてくれます。
(例えば「すきまに物をいれるようになったら」など)

また、QRコードが載っており、実際にお子さんが遊んでいる様子の投稿を見ることもできます。

 

こういった本を読んでいる最中は、「これよさそう!」「これ試してみようかな」と思えるのですが、いざ読み終わるとなかなか重い腰が上がらないことってありませんか?

私は、よくあるのですが……(笑)

そんな私でも、この本を読み終えた瞬間に「100均に行きたい!」と、思わず立ち上がっていました。

それくらい「長男が喜んでくれそう!」「これは次男にハマるだろうな~」と、イメージができたのです。

買い物リストをメモしながら、ワクワクが止まりませんでした。

ただの”モンテ本”じゃない

モンテッソーリ教育は、”早期教育”ではないんです。

(前略)子どもの発達段階に合った環境や教具を整えることで、子ども自らが自分自身の力をサポートする「適時教育」なのです。

自分で選び、学び、その力を身に付けていくことを習慣にすること。
そして、生涯に渡って学び続けられる自立した大人になれるようにサポートするのがモンテッソーリ教育の目的。

大人はあくまでも脇役。子どもの力を信じることが大切です。

モンテッソーリ教育を受けて育った人たちが創造性に満ち溢れた活躍をしているのは、「自分で選び、学ぶ力」を身につけたからなのでしょうね。

 

りっきーさんの本は、「モンテッソーリ教育とはなんたるや」「こういう教具を作ってみて」といった、ただモンテッソーリ教育を教えるだけにとどまりません。

一人の母親が我が子の成長を信じ、観察と実践を繰り返して見つけた”我が子のための”最適なアプローチ方法。

そして、子どもの発達に悩んでいる保護者の救いになってほしいというメッセージが込められています。

発達障害のある子の子育ての大変さや母親の思いに共感でき、発達や感覚統合についても学べ、家庭で取り組める発達を促す方法が書かれた本。

こんな良書、きっと他にはないでしょう!

 

モンテッソーリ教育について詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ!

omame-note.com

子どもを見る視点が変わる

発達障害を抱える子との関わり方を知っていく中で、「子どもがどのように発達していくのか」を知ることも大切です。

「発達の視点」で子どもを見れるようになると、生活年齢や周りの子と比べてることがが激減します。

その子自身が今どこの発達段階にいて、何に苦手や困りがあるのか?という視点で見れるようになるからです。

「感覚統合」をきっかけに

発達障害のある子には、感覚の偏りのある子が少なくありません。

本の中で、感覚についても丁寧に説明されています。

りっきーさんの長男君の感覚の偏りに関するエピソードは、共感するものばかりだったのですが、中でも驚いたのが”姿勢が維持できず、止まれないから走るしかなかった”というところでした。

りっきーさんは、そのことに気づいたとき「衝撃でした」と書かれていましたが、私も読んでいて衝撃でした(笑)

さらに、うちの次男は30分乗っても満足しない程ブランコが大好きなのですが、これも感覚の偏りから来ていたと知り、これもまた衝撃でした(笑)

大切なことは、ただ知識を深めるだけでなく、知った先に見えてくる”子どもの姿”。

「感覚統合」について知ることで、よりわが子のことを知るきっかけに繋げてください。

長期的視点を忘れずに

本やSNSで「良い取り組み」を見ると、そこに至るまでの経緯が見えにくく「そんな簡単にはいかないでしょ」「そんなうまくいくわけない……」と、諦めてしまうことがあります。

そのため、目の前にある困りごとに対して、「対処療法」のような関わり方をつい選んでしまいがち。

しかし、発達障害のある子を育てていると、その場しのぎの対処療法では根本的な解決にならないことのほうが多くあります。

表面的な困りや苦手ではなく、根本にある原因を見つけ、その原因を解消していくためには「長期的視点」を忘れてはいけません。

その長期的視点を持つためには、「任せる勇気、手を抜く勇気」が必要です。

一人の「発達凸凹育児」を経験した母としてのりっきーさんの言葉に、きっと心救われる人が多くいることでしょう。

いいとこどりでOK

本を読んだり誰かのSNSを見ていると、真似したいと思うことはたくさんあるけれど、それらを全て実践することはできません。

「この人のようにできない」「私にはそこまで頑張れない」と落ち込む必要もありません。

みんなそれぞれ、置かれた環境も、子どもの状態も違うのですから、同じようにはできなくて当たり前。

いいなと思ったことを真似してみる。無理だなと思ったらやめればいい。

できそうだと思えたら、継続すればいい。

いいとこどりでいいんです。

りっきーさんは、息子さんの観察と実践を何度も繰り返し、何年もかけて息子さんに最適なアプローチ方法を見つけられました。

大切なのは、本に書かれていること全てを真似することではありません。

自分たちに合う方法を探していくことが大切なのです。

この本には、それを見つけるためのヒントがたくさん詰まっています。

学力や知能レベルを上げるためのものでなくて「自分の力で生きていく力」を身に付けることに、きっと繋がっていくことでしょう。

まさに当時「できるようになったら本人の生活の質が変わるかも!」と思ってたことがここにきて形になってきた実感があります。 それは決して点数化される能力ではありませんが、確実に、着実に、自立へ向かう道のりです。 

【モンテ×感覚統合】の最強タッグ本をぜひ、読んでみてください!

 

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