療育に通い始めて、長男は3年、次男は10か月が経ちました。
これまでに、見学した療育施設は10か所以上。実際に契約して、通所したのは7か所。
「これからもずっと息子たちのことを見てもらいたい!」と思える出会いもありましたが、「ちょっと合わないかな……」と感じるところもありました。
これまでの経験をもとに、療育選びで大切なことをお伝えします。
「どうやって療育を選べばいいのかわからない……」とお悩み中の方の参考になれば幸いです!
療育選びで大切なこと
初めての療育選び、どうやって事業所を探せばいいのか、何を基準に選べばいいのか分かりませんよね。
一緒に事業所を探したり、利用計画を考えてくれる相談員事業所もあるので、療育選びに不安な方は福祉窓口に相談してみてください。
自分で療育を選ぶ場合は、まず「子どもにとって今必要なこと」と「保護者のニーズ」を整理することが必要です。
子どもと保護者のニーズを確認
意思の疎通がまだうまく取れない、対人コミュニケーションに苦手さ・困難さが場合は、集団よりも一対一の個別で行う療育の方が安心です。
ある程度大人とのコミュニケーションが取れる子であれば、小集団で子ども同士の関わり方を学んでいくなど、子どもの状況に合わせて選んでくださいね。
親子で一緒に通う「母子通所型」、子どもだけが療育を受ける「母子分離型」など、事業所によって預かりの形態や預かり時間も様々です。
また、既に通所している子どもたちの年齢や人数によって、施設の雰囲気が大きく変わります。
児童発達支援と放課後等デイサービスの両方やっている多機能型の施設だと、午後は幼稚園・保育園・小学校終わりの子どもたちがぞくぞくと来所してきます。
低年齢のお子さんや、騒がしいところが苦手な感覚過敏の強いお子さんは、利用人数・年齢なども確認してください。
子どもの困りごと、保護者の困りごと・子育ての悩みなどを整理し、必要であれば専門職の指導を検討した方がいい場合もあります。
契約前に利用体験をさせてくれる事業所もあるので、可能なら何度か体験することをおすすめします!
 個別or小集団
 母子通所or母子分離
 利用したい日数・時間
 通所中の子どもたちの人数・年齢
 専門職の必要性の確認
施設を探す前に子どもと保護者のニーズを整理し、「ここは絶対譲れない!」などの優先順位をつけておきましょう!
療育に関するおすすめの本
おすすめの本を2冊紹介。
”超早期英才療育”を娘さんと一緒に取り組んできたコト子さんの奮闘記。
「療育ってなに?どんなところ?早期療育って本当にいいの?」といった疑問を解決してくれます。
最初から最後まで共感しっぱなし、読み終えたときには「私もがんばろう」と思えます!
途中にある、支援者側のコラムも参考になりますよ。
2012年発行のためDSM-5以前の内容ですが、今読んでも学びが深い本です。
医学博士であり、たくさんの子どもたちや成人の方を診てきた小児科医・平岩幹男先生の経験と知識が詰め込まれており読み応え抜群。
医師の目線で療育をどのように選べばいいのか的確なアドバイスが書かれていて、療育選びの参考になります。
※淡々と書かれているので、心の状態によっては読むのがしんどくなるかもしれません。
長男の療育選び
2歳7ヵ月のときに療育に通い始めた長男。当時の一番の悩み事は、「言葉の遅れ」でした。
最初に通い始めたのは、個別の音楽療法。
何も分からないところからスタートし、なんとか発達検査や通所受給者証を取得。
「これでやっと長男は喋れるようになるかもしれない!」と、期待を込めてスタート!
……したのですが、椅子に座らない、指示が通らない、30分間教室内を走り回って終了。
それが週2日、3か月続きました。
どうやら、長男には合わなかったようです………。
医師から「集団に入った方がいい」と言われたのをきっかけに、ABAの小集団の療育に通所開始しました。
この事業所のやり方が長男に合っていたようで、ぐんぐん成長。現在も、毎回楽しく通っています。
言語療法で急成長
少しずつ言葉は出始めていましたが、なかなか会話にはならず、言語面の心配がなかなか解消されませんでした。
そこで、言語聴覚士が在籍している施設を探し、3歳0か月から言語療法を開始。
先生との相性がとてもよく、言葉がどんどん増えていき、あっという間に3語文まで話せるようになりました。
成長に合わせて都度調整
その後も、体幹が弱くて幼稚園の体操を嫌がる→運動療育、手先の不器用さで幼稚園の工作を嫌がる→作業療法といった具合に、その時の長男の発達や課題に合わせて様々な療育を利用しました。
幼稚園との併用だったので、長男の様子を見ながら幼稚園と療育のバランスを細かに調節。
たくさん通うことが必ずしも良いとは限りません。ある程度の余白も必要なので、利用頻度や時間はお子さんの様子や希望、家族ニーズとのバランスを大切に!
次男の療育選び
次男も2歳7ヵ月から療育を開始しました。
当時の一番の悩み事が「独特な発音と、社会性の発達の遅れ」だったので、言語聴覚士が在籍していることが絶対条件でした。
長男と同じ施設でもよかったのですが、せっかくなら”自分だけの居場所”ができたらと、いくつかの事業所の見学へ。
利用人数、利用している子の年齢、先生の雰囲気など、なかなかピン来ない……。
長男が利用している事業所が専門性が高く、「次男を通わせたい!」と思える施設がありませんでした。
長男が利用している事業所に空きがあったので、同じところに通うことにしました。
ABA小集団と言語療法
長男が通っていた施設だったので、次男は先生のことも施設の中のこともすでに知っており、心配していた人見知りや場所見知りもありませんでした。
コロナの影響で、家族以外の大人や同年代の子どもとの関わりがほとんどなかったので、小集団の療育は次男にとって初めて経験する”社会”でした。
たくさんの刺激を受け、社会性の部分がどんどん成長していきました。
言語療法は、母子分離ができず同伴させていただくことがよくありましたが、先生とのやりとりを楽しんでいました。
利用時間が午後だったため、寝てしまってお休みをするということがよくありましたが、利用時間を午前に変更してから毎週通えるようになり、どんどん語彙が増えていきました。
優先順位の変化に合わせて
3歳頃から衝動性と不注意の傾向が見られるようになってきたので、長男と同じ運動療育も開始。
もともと運動能力は高く、体幹もしっかりしており、比較的どんな活動にも積極的に取り組んでいました。
長男は1年と少し、次男は半年ほど利用しましたが、幼稚園や家庭での様子から優先順位が下がり契約終了となりました。
利用開始までに労力や時間もかかるし、療育をやめるって結構勇気がいるんだけど、何を目標にするか・何を優先するのかを意識しておこう!
信頼できる療育の共通点は?
これまでいくつかの施設を見学・利用してきて、「これからも通わせたい!」と思える施設に共通して感じることがあります。
- 送迎時など毎回話す時間がある
- 丁寧なアセスメントをとってくれる
- 支援計画書の内容がしっかりしている
- こちらの話を親身に聞いてくれる
- 子どもたちが楽しく通えている
- 書類のやりとりに不信感がない
- 連絡帳が丁寧に書かれている
- 対応が早く、臨機応変
安心して子どもを通わせるためには、何よりも”信頼関係”が大切。
その信頼関係は、子どものことをしっかり見てもらえるところから生まれます。
支援計画書の内容が薄いところは要注意です!可能なら見学時に見せてもらうといいかもしれません!
一緒に考えてくれる施設を選んで
ライフステージによっても、子どもや家族のニーズは変わります。
預かり時間を重視するようになったり、送迎が必須になったり、就園・就学によってその子の課題も変わっていきます。
保護者の迷いや不安も変化していくので、その都度一緒に考えてくれる施設を選んで欲しいと思います。
例え、自分たちの施設では対応できない困りごとであっても、別の選択肢を提案してくれたり、一緒に考えてくれるところはとても信頼できます。
それぞれのお子さんにとって、家族にとって、必要な支援を受けられる場所と出会えますように。
おまめ